教育・研究

経済学部教員コラム vol.41

2014.05.19 経済学科 山本 勝造

「我々の身近にある経済学:消費税増税の例から」

「国際経済学」の授業を担当している山本です。大学教員という仕事をしていて、仕事外で新たに知り合った人などに自己紹介などで「経済学を教えています」という話をすると、大抵は何やら難しそうなことを扱っているというイメージを持たれます。しかし、経済学というのは我々の普段の生活の中で起こっている社会現象を扱う学問であり、それゆえ勉強してみると、日々の生活と切り離すことのできない存在であることが分かります。

 

4月1日の消費増税後、私が初めて買い物したのは某コーヒーショップでした。いつものようにコーヒーを注文して代金を支払うときに、金額が388円と1円単位の細かい価格になっていることに気付きました。違和感を覚えながら財布の小銭を探していると、店員さんが増税にあわせて価格が変わったことを教えてくれました。
ここで増税前と増税後で価格がどうなったのか気になったので、帰宅してから調べてみました。すると、この商品が増税前は税込380円で税抜きだと362円だったことが分かりました。もし税抜き価格がこのまま362円のままだと、税込み価格は362×1.08=390.96円となり少し計算が合いません。実はこのコーヒーショップの場合、増税後のこの商品の税抜き価格を360円と値下げ(税抜き価格を1円単位で切り下げ)していたのです。
ところが、全ての企業がこのような対応を取っているわけではありません。その何日か後に訪れた別のコーヒーショップの場合、増税前に税込み300円だった商品が増税後は税込み310円と、増税分を超える10円の価格アップ、つまり実質的な値上げで対応しています。
このように今回の消費増税への対応では、コーヒーショップに限らず企業によって対応策は様々です。今後予定されている消費税10%へのアップを見越した措置、価格値下げによる競争力の強化、価格値上げ分を上回るだけの魅力的な商品開発によって新たな消費者を呼び込む等々、その背景には様々な根拠が隠されています。下の写真は先月の下旬に都内で撮影したとある洋服店の看板ですが、このお店の場合は消費税の増税後も価格を据え置いていることを消費者にアピールする戦略のようです。

 

 

我々の身近にあるふとした社会現象からも、様々なクエスチョンが浮かび上がってきます。身近なクエスチョンについての答えを見つけたいという「知的好奇心」は人間だけが持っているもので、これこそが我々の文明をここまで発展させてきた原動力であると言えます。これからも大学教員として、学生の皆さんの旺盛な「知的好奇心」を満たしていけるような授業を提供できればと思っています(下の写真はゼミで東京証券取引所を訪れたときのものです)。

 

(経済学科 山本 勝造)

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