教育・研究

経済学部教員コラム vol.47

2014.09.15 経済学科 中泉 拓也

「藤野さん講演会」

2年の経済学会の仕事を終えていたのに、今年もまたまた講演担当。ということで、今年も講演会の記事です。

 

今年は海の日が7月21日で春学期の終わりに近かったため、7月1日(火曜日)に、3年連続格付投資情報センター(R&I)の「R&Iファンド大賞」を獲得しているレオスキャピタルワークスの藤野英人さんに講演に来て頂きました。

 

経済学は社会の仕組みを分析する学問です。その中でも、特に取引、働く(生産)、消費がテーマで、いかに効率的に、生産や取引が行われるかを考えています。はたらくこと、お金を投資することは、経済活動の中心で、経済学の研究でも根幹をなすことです。
しかし、働くこと、特に取引、更にはお金をどう使い、どう投資するかについて、どれだけみなさん重要だと思っているでしょうか、実感しているでしょうか。も しかすると、逆に偏見さえあるのではないでしょうか。例えば、働くことはいいことで、楽しいことだ、投資する人は尊敬するべき人だと本当に思っています か?自身をもってそう言えますか?金融仲介や株式投資は、現代世界を運営するには不可欠にもかかわらず、正直身近ではなく、また、敬遠がちだと思いま す。しかし、そこにこそ人類の営みが有り、経済学もそれをどうよくするかを常に考えています。

 

藤野英人さんは、格付投資情報センター(R&I)の「R&Iファンド大賞」(2014年で8回目)の最優秀ファンド賞を受賞した「ひふみ投信」を運用する、レオスキャピタルワークスの創業者の一人です。投資信託を運営している点で、上述の働くこと、投資をすることの重要性を最も強く認識している立場にいらっしゃる方だ と思います。また、積極的に広報,啓発活動も行っていて、働くこと、会社を起こして経営することの重要性について、日本中で講演され、書籍も多く執筆され ています。

 

ということで、経済学部の講演会として、今回は、藤野さんに来て頂きました。藤野さんは最近、ほぼ日刊イトイでも講演され、記事になっています(http://www.1101.com/fujino/)。糸井重里氏との逆インタビューもCAKESに掲載されています(https://cakes.mu/posts/6205)。著書の「投資家が「お金」よりも大切にしていること (星海社新書) [新書] 」は第7刷も決まったそうです。

 

講演会

 

講演内容の詳細は本学に来て勉強して頂くとして… というのは冗談で、ほぼ日刊イトイ新聞に同様の講演の詳細があります。ということで、そちらを参照して頂くとして、ここで強調したいのは2点です。先ず第一は日本では特に就職するまで、労働嫌い、投資嫌いが結構強いことです。幸いにも本学で勉強している皆さんにはそう言う誤解は少なかったようです。

 

第二は、日本にはまだまだ成長している会社がたくさんあるということです。しかも、成長している企業は、未公開の小さなベンチャー企業だけでなく、誰もが知っている超一流企業以外の、多くの上場企業がそうであるということです。講演を聞いた皆さ んは、就職活動では、そういった誰もが知っているわけではない、でも非常に将来有望な会社に就職することが有利だということが解ったと思います。
これは、世界一の個人資産を持つ投資家のウォーレンバフェットも投資行動からも解ります。バフェット氏は最近初めて日本株を買ったことが記事になりました が、その株はトヨタでも三菱東京UFJでもありません。「タンガロイ」という研磨機の会社です。被災地のいわきに工場がある決して大きいとは言えない会社です。みなさん、この会社を知っていましたか?この会社を世界一の投資家が初めて日本で買う意味をしっかり考えてみましょう。バフェット氏は「自分が持っているだけでわくわくするような会社を買いなさい。」と言っていますが、みなさんも、「入社しただけでワクワクするような会社を探してみませんか?」

 

では、どういう会社がそう言う会社でしょうか?それをしっかり勉強するのが経済学部での勉強の大きな目標です。しっかり勉強するには、多くのことを勉強して欲しいのですが、今回は非常に解りやすい方法を藤野さんが紹介して下さいました。実は、社長の顔を出している会社、役員の名前や写真を公開している会社は 株価も伸びているんです。公開それ自体が、会社の社会的責任につながったり、インセンティブやモチベーションの向上につながるのです。興味深いですね。こういう簡単なことでも、就職活動にはとてもプラスになったと思います。他にも説明したいことは多くあります。ぜひ経済学部にきて勉強して下さい。

 

ところで、私は藤野さんの講演を聴くのは2回目で、以前投資セミナーに参加させて頂いたんですが、そこで、感心したのは、ひふみ投信のパフォーマンスの秘密です。やはりひふみ投信も3.11の東日本大震災や、リーマンショック等、様々な時点でファンドの下落に見舞われたそうです。その下落からこれまで何度も復活して、とても高い収益を獲得されています。その方法ですが、東日本大震災がいつ起こるか解らないように、暴落を事前に予測するのはさすがに難しい、というか無理です。ではどうするか、暴落の予兆も含め、相場が変化する過程で銘柄をどんどん入れ替えて、次の上昇に備えるそうです。

 

これって、凄くないですか?例えば100万円が80万円になって、その株を売って、別の株を買ったら、それが120万円になるっていうことです。私なんかは、そんなことしようものなら、100万円が80万円になった後、更に60万円になるのがオチだと思います。ウォーレンバフェットでさえ、暴落してから売るので はなく、もともとかなりの割合の流動性の高い資産を持っていて、暴落した後に買い始めるそうです。どちらかと言うと私もそっちの投資に近く、ひふみの投資スタンスは真似出来ないなと思いました。しかし、これまでの実績をみると決して間違っていない投資戦略だということもわかります。

 

また、藤野さんに今回直接お聞きしたことで興味深かったのは、W杯ブラジル大会で一次リーグで敗退したイングランド代表のOwenが、イングランドにはストリートサッカーのようなサッカーを出来る選手が少なかった。W杯で勝つには、そう言う選手も必要だと言っていたことを引き合いに出され、そういうノウハウも運用では必要だとおっしゃっていたことです。実際、個人投資家のスーパースターである片山氏をファンドマネージャーに起用して、それを実践されています。

 

本

 

2人

 

最後に私事で恐縮ですが、私は、facebookを始めて3年程になり、最近何と友人、フォロワー合わせて1000人程になりました。津田大介氏や蓮舫議員、江田議員といった相当な有名人とも友人になって頂き、日々はまっています。最近、長年ファンだった作家の平野啓一郎氏に友人になって頂いて、ワクワクしました。実はfacebookでの活動がこんなに充実している最初のきっかけは藤野さんが友人リクエストしてくれたことなんです。お陰で、投資家、企業家、優秀なジャーナリスト、国際的に活躍されている方等多くの方とつながるきっかけになりました。現在、facebookでどれだけのことができるか、特 に仕事にいかに結びつけることができるかを目標にしています。次回はそういう寄稿を考えてみたいと思います。ではでは。

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