教育・研究

経済学部教員コラム vol.15

2013.10.07 共通科目教室 細谷 実

「学生にとって”文章を書く”という経験」

「文章を書く」という講義があります。1年生前期に、各クラス30名定員で14クラス、毎回テーマを与え、考えさせ、800字弱でエッセイを書かせる授業です。全体で420人、つまり、新入生の半分強が受講しています。講師のバックグラウンドは多様で、新聞記者、出版の編集者、日本語教育専門家、予備校での小論文指導専門家などが、2クラスずつ担当しています。

 

今の学生たちは話し言葉の世界に生きています。「コミュニケーション能力が大切です。自分も身に付けたい」と彼らが言う場合、それは、例外なく話す力です。携帯メールを考えると、ひょっとして彼らは、先行世代のいずれよりも大量の文字を書いているかもしれません。しかし、携帯メールは、まったくの言文一致、話し言葉の文字化であり、書き言葉の特長であります。多少とも反省された、複雑な論理を持つ文章とは無縁です。そしてそのような書き言葉の世界に馴染まないと、ある程度以上複雑なことは考えられず、自己省察に基づく近代人としての奥行きを獲得できません。

 

各回の課題のテーマは、例えば、「私の高校生活」「旅の思い出」「私の好きなアーチスト」「記事《子どもの貧困》を読んで」「ひとりになる」「一冊の本」「私はこんな人」などです。始めはなかなか書けません。あるいは、思いつくまま書きなぐります。講師は毎回すべての作品を添削し、コメントを返します。授業でも、書かれた中身について話します。それを15回繰り返します。受講した学生たちは、次のような感想を述べています。

 

いろんなテーマを書いて自分を振り返る機会になった/書くことに抵抗感がなくなった/この授業は必修であるべきなのに、そうではないのは理解できない/書くことが楽しくなった/今までの経験を振り返るいい時間だった/自由に思ったことが書けた/文章を書くのは苦手だから苦痛で仕方ない授業だった/伝えることの難しさと大切さを学んだ/レポートを書くのに役立った/考える力がついた/大学でこんな(作文を書くだけ)授業があるとは思わなかった/もっと続けたい。

(共通科目教室 細谷 実)

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