Column

経済学部教員コラム vol.41

経済学部教員コラム vol.41

四宮 正親

『企業家活動からみた日本のものづくり経営史』を出版しました

昨年の年末に、『企業家活動からみた日本のものづくり経営史―わが国ものづくり産業の先駆者に学ぶ』(法政大学イノベーション・マネジメント研究センター叢書9)(共編著、文眞堂)を出版しました。

同書は、明治維新以後の日本の経済・経営発展を主体的に担った企業家の近代産業における「ものづくり」開拓活動について検討したものです。

具体的に言えば、第一次産業革命の先導産業である紡績業と製紙業、第二次産業革命の主力であった鉄鋼業と造船業、そして、第一次世界大戦の勃発を契機として勃興した紡織機、自動車、電気機械の各産業における発展の様相を辿りながら、企業統治やオーナーと専門経営者の関係など企業家活動をめぐる多様な論点にアプローチしました。

産業構造の転換と新産業の創出が求められる今日、産業開拓活動に取り組んだ想像力と創造力に学ぶ手がかりとなれば幸いです。

私が専門としている経営史のような社会科学は実験や数式で証明することが困難です。したがって、少しでも活字にして多くのみなさんに目を通してもらい、論評していただくことが、いわば実験といえるでしょう。これまでも、活字にして公表したことで様々なご意見をいただき、それに基づいて修正を施してきました。質と量はどちらかではなく、どちらも必要であると感じる昨今です。