Column

経済学部教員コラム vol.66

経済学部教員コラム vol.66

中泉 拓也

柳瀬さんと小網代との出会い

facebook歴もそろそろ5年を迎えます。そんな中で、柳瀬博一さんともfacebookで友人になっていただきました。柳瀬さんは日経ビジネスのチーフ企画プロデューサーとして非常に有名な方で、池上彰氏とアマゾンや東南アジアでの取材に同行されるなど、精力的に日経BPの特集記事を企画されています。また、私もこの3年ほどJICAの仕事でパキスタンに渡航するのですが、テレビ東京の2014年3月の番組「池上彰の世界直撃取材SP!激動のパキスタン」では、そのパキスタンにも取材に行かれ、パキスタンで教育専門家をされている友人の大橋さんなど多くの方の活
躍を紹介していただきました。

メディアでもそのように非常に有名な柳瀬さんですが、この分野の師匠でいらっしゃる慶応大学名誉教授の岸由二先生とともに、なんと学生時代から関わっていらっしゃるのが、三浦市小網代の自然保護活動です。柳瀬さんに教えていただいた時、既に本学に勤務し始めて10年以上経っていましたが、私は小網代のことは全く知りませんでした。

金沢八景の本学にも近いので、毎月第3日曜日に開催しているボランティアウォークにも行こうということで、2015年4月のボランティアウォーク参加させていただきました。そしたら、偶然にもパックンがNHKの取材で小網代に来ていたのに遭遇し、後ろ姿がテレビに出てしまうというハプニングが。

そこから小網代の魅力に捕まってしまい、ゼミ生を連れて、数回ボランティアウォークにも参加しました。また、保全活動の資金面を支える神奈川トラストみどり財団の会員にもなっています。

柳瀬さんは上述のように日経BPで非常に有名な方ですが、ボランティアウォークでは小網代の保全活動を丁寧に説明されていました。しかも、そのときのプレゼンテーションがすばらしく、こちらが勉強になるほどでした。これはと思い、2015年の春の講演会にお呼びし、2015年7月に本学で小網代のボランティア活動について講演していただきました。

講演会では、自然保護をいかにサステナブルに行うかについて、経済学部の学生にも非常に得るものが多い講演会でした。また、これまでの講演会以上に多くの方に、外部からも聴講に来ていただきました。

その後、中泉ゼミでは、ボランティアウォークに参加するのが恒例行事になっています。6月には小網代の蛍の観察会にも参加しました。

2016年5月に、岸先生との共著で、「奇跡の自然」の守りかた: 三浦半島・小網代の谷から(ちくまプリマー新書)が出版されました。小網代で何度も聞いた柳瀬さんの説明ですが、序章を読むと柳瀬さんの説明が蘇ってきます。私自身は小網代に関わってまだ1年程度しか経っていないのですが、この本を読むと、既に自分のことのようにこの自然に関われたことの感動が実感できます。いま、小網代は関東圏でも最も注目されるスポットになりつつあり、地元の小泉進次郎議員も訪れています。皆さんも是非一度行ってみてください。