Column

経済学部教員コラム vol.25

経済学部教員コラム vol.25

水谷 文宣

「奉仕できる人材に」

僕は民間非営利組織会計を研究しています。代表的な研究業績としては、日本公認会計士協会の『会計・監査ジャーナル』に掲載された論文があります。民間非営利組織とはNFPと略され、民間であり公益性があり非営利性のある団体のことを言います。NFP会計には、企業会計や公会計との差異があります。例えば、NFPでは寄付の会計処理が重要となってきます。NFP会計の研究者は日本には少ないのですが、アメリカや中国には多数の研究者がいます。アメリカや中国には様々なNFPに統一適用される会計基準もあります。特にアメリカにおいては、NFPがGDPの大きな割合を占めています。NFPにご奉職なされば、関東学院のキリスト教主義を反映した校訓である「奉仕せよ」の精神を実現できると思います。

教育においては、企業会計を中心として会計学を教えています。会計学は、経済活動を反映する会計という活動を対象とした学問です。講義形式で会計学を教える際もアメリカ型のインタラクティブ教育を模範として、BeeDanceを活用するなどの工夫をしています。BeeDanceは香港城市大学でも活用されているシステムです。専門ゼミでは、特に2013年度以降入ゼミ者に対しては、実務よりも理論を中心に教えています。大学の学術機関としての側面を僕は重視しているためです。また理論が分かっていてこそ、会計基準や実務指針がない経済活動についても経理の実務ができるようになります。学生の皆様にはこのような応用力を身に付けてもらい、社会に奉仕できる人材となっていただきたいです。

(経営学科 水谷 文宣)