経済学部教員コラム vol.96
温故知新
はじめまして。2023年4月に着任しました小室隆です。
私の専門は自然地理学と陸水学です。自然地理学はなんとなく聞いたことがある方も多いと思いますが,陸水学はあまり一般的ではないので知らない方が多いと思います。陸水とは,日本陸水学会のHPから引用すると,「陸水(リクスイ)とは,海洋に対する語であり,内陸部に存在する湖沼,河川,ダム湖,河口域,地下水,湿地,雪氷などの水域,またはその水を表している。」とあります。このことからも分かるように,陸水学とは陸上の水に関する学問であると言えます。
私は湖(宍道湖や霞ヶ浦)を主なフィールドとして,堆積物(湖底や海底に有機物やシルト,粘土,砂など堆積しているもの)を現地まで採りに行っています(写真)。この堆積物には過去から現在までの「情報」,すなわち生物の遺骸(種子,DNAなど)や様々な物質が含まれています。これらを調べることで過去から現在までの環境を復元することが可能です。私の研究の格言が「温故知新」であり,堆積物から昔の状態を知り,将来の環境変化への対策に役に立つような研究をしています。
堆積物はロマンが詰まっているとも言えますね。
私のゼミナールでは,地理学をメインとしています。地理学は色んな学問との親和性が高く,どのようなテーマでも研究テーマになり得ます。そのため,ゼミナールに所属する学生さんの興味も様々であり,色々と楽しいテーマに溢れているなと感じています。
地理学や陸水学に興味がある方はゼミや研究室に遊びに来てください。