経済学部教員コラム vol.26
「カレーと管理会計??」
はじめまして。管理会計を担当している江頭です。
管理会計とは、「企業の経営管理者の意思決定や企業内部の業績評価に役立つことを目的とする会計」です。管理会計というと難しく聞こえますが、意思決定については日常生活において私達も普通に考えていることです。それを企業に置き換えて考えてみると気分が楽になります。
たとえば、夕食にカレーを食べようと決めて、「家でカレーを作る」VS「カレー弁当を買う」という問題です。さて、家でカレーを作るとなると、材料として何が必要でしょう?じゃがいも、肉、人参、玉ねぎ、カレーのルウが必要で、(私はチーズの入ったカレーが好き)それらの材料はお店で買うので、材料代が必要となります。それから家で作る時に忘れがちなのが、カレーを鍋でぐつぐつと煮る時にかかるガス代です。材料代とガス代を合わせて計算すると、家でカレーを作るには一人前500円が必要となりました。一方、「カレー弁当を買う」と450円ですみました。さて、どちらを選ぶでしょうか?
これが管理会計でいう「自製か購入か(自分のところで作るか、買ってくるか)」の問題です。かかったコスト、つまり財務情報(金額)だけに焦点をあててみると、「家でカレーを作る」(500円)>「カレー弁当を買う」(450円)と後者の選択肢を選ぶことになるでしょう。
ただ、家で作ったカレーは、カレー弁当よりも愛情がこもっているし、美味しい(?)し、多少自分好みにアレンジできるというメリットがあります。一方で、手間がかかり、食べたお皿を洗うなど時間も費やすというデメリットがあります。こういう財務情報(金額)では示されない非財務情報もやはり重要な意思決定の一部となるのです。企業でも、コストは高くつくが自分のところで自製するという意思決定を行うこともあるのです。
このように普段の自分の生活と合わせて管理会計という分野を考えると、楽しくなるのではないでしょうか???
(経営学科 江頭 幸代)