Column

経済学部教員コラム vol.35

経済学部教員コラム vol.35

林 博史

「人権ということ」

私は、経済学部で政治学や国際関係論、総合講座「平和研究」などを教えています。私の研究は、戦争と平和に関わる問題、日本とアジアとの関係に関わる問題で、多様なトピックを対象にしています。現場に直接行って聞いて見て感じ考える、徹底して事実に基づいて考えるという研究スタイルで、海外などによく調査に行っています。
ゼミでは、韓国のハンシン大学と交流をしており、毎年、韓国に調査旅行で出かけています。そのときの様子は大学のウェブサイトの次のページで紹介しています。

経済学部林博史ゼミナール 韓国調査旅行2013
 
経済学部林ゼミナール 韓国調査旅行2012
 
関東学院大学経済学部と韓国ハンシン大学グローバル協力学部との合同授業

この間、研究と教育の両方で特に意識しているのが“人権”という問題です。女性に対する差別ヤジがくりかえされ、そうしたヤジをおこなっている政治家が議員を辞めないですまされるというのは、先進国では考えられないことです。また韓国・朝鮮人や中国人に対する差別発言(「殺せ」というのは差別どころか、犯罪そのものですが)が堂々となされているにもかかわらず、政府も政治家もマスメディアもきちんと批判せず、放置されているのは異常な社会です。特にネットの世界はひどいですね。

女性に対する国家による組織的かつ深刻な性暴力である日本軍「慰安婦」制度について、それを弁護正当化する政治家やメディアが氾濫している日本社会が国際社会からくりかえし批判されるのは当たり前のことですが、そのことを理解できない人々が多いということに、日本社会の人権感覚のなさが象徴されているでしょう。

こうしたことを言うと、右翼(欧米では極右と言いますが)あるいは心無い人たちから脅しやいやがらせがなされることも少なくありません。幸い、本学はキリスト教を精神とする大学ですので、当然のことですがそうした脅しにも毅然とした対応をしているのは立派だと思います。建学の精神というのはこういうところで試されるのですね。

ゼミや講義においても、人権という観点をとりわけ大事にして、学生諸君と一緒に考えていきたいと思っています。

なお、私の研究のことなどは、私のホームページをご覧ください。
http://www.geocities.jp/hhhirofumi/
 
また、授業に関することは、こちらのホームページをどうぞ。
http://home.kanto-gakuin.ac.jp/~hirofumi/