経済学部教員コラム vol.60
日本銀行のマイナス金利
私たちが銀行に預金口座を持っているのと同じように、銀行自体も日本銀行に預金口座を持っています。これを「日銀当座預金」と言います。
当座預金とは本来、金利がつかない預金を言うのですが、日本銀行は2008年10月から、「準備預金制度」に基づいて銀行が必ず預けねばならない預金を超える部分についてのみ金利をつけることにしました。
ところが、今回日本銀行はこの預金の金利をマイナス水準にまで引き下げました。マイナス金利になると、銀行は日本銀行に預金しても利子をもらえるどころか、逆に「預かり賃」としてお金をとられます。
そのため、銀行は必要でないお金をこれまでのように日本銀行には預けないで、別の形で運用しようとします。お金が社会に出回ることで、景気が良くなることを日本銀行は期待しています。