経済学部教員コラム vol.76
経済学で社会の未来を考える
2050年、日本の人口は1億人を下回ることが予測されています。人が暮らしている地域の2割は、2050年には居住する人が誰もいない無居住化する見込みです。あと30年後の姿です。残された時間はそれほど多くありません。
過去を振り返ると、私たちは長期的展望のもとで先を見て行動することが、ものすごく苦手だったようです。誰もが7歳になると小学校に入学し、75歳を過ぎた頃になると人生の終盤になることを知っています。しかし、人口の最も多い世代が小学校に入学する時には校舎が不足していました。そしていま、彼らが75歳を前にして医療や介護の不足が問題となっています。
思考を巡らせる時間が現在から遠く離れるほど実感がわかないものですが、2050年、自分もそこに存在しています。ゼミでも「みんな生きているよ。どうするの?」と問いかけています。未来に向かって「持続可能な社会」であるためには、どのような制度設計やどんな行動が期待されるのでしょうか。経済学もこの問に挑戦しています。
次の時代を担うみなさんにも、私たちが希望する将来の社会とその実現を、頭をフル回転させて考えて欲しいと思っています。