Column

経済学部教員コラム vol.70

経済学部教員コラム vol.70

内藤 幹子

イースター、イースター♪

最近、テレビから「イースター、イースター♪」と歌う声が聴こえてきて、とてもビックリしました。(主に)若い人たちの人気を集めている歌い手さんが、大手スーパーのテレビコマーシャルで「イースター」を連呼していたのです。ううむ、ついにイースターが取り上げられたか・・・、ここまできたら、次はペンテコステだろうか・・・?などと、しばし感慨にふけりました。

そのコンセプトは、きっと、「春の到来を喜ぶ」というようなところにあるのでしょう。一方で、「イースター」は本来、どのような意味を持つ祝祭なのでしょうか?「クリスマス」が「イエス・キリストの誕生」を祝うものであることは、日本でも一般的に知られているかも知れませんが、「イースター」が「イエス・キリストの復活」を祝うものであることは、まだそれほど知られていないかも知れません。また、「クリスマスは何月何日?」と聞かれて「12月25日!」と答える人は多いかも知れませんが、「イースターは何月何日?」と聞かれて答えられる人は、ほぼキリスト教会関係者に限られるのではないでしょうか。なぜなら、「クリスマス」が「固定祝日」であるのに対し、「イースター」は「移動祝日」であり、毎年日程が変わるからです(春分の日の次に来る満月の日の次の日曜日・・・、ややこしい)。

また、「イースター」のモティーフとして「卵」がよく用いられるのを目にするでしょうか。「卵」は一見、動かず命がないように見えます。しかし、その殻を破って新しい命が誕生してくる。イエス・キリストの十字架の死が、やがて復活の命へと至ったように、「イースター」の大切なテーマは「死から命へ」ということです。コマーシャルや某遊園地(?)のパレードなどで「イースター」を見かけたら、「そういえば、もともとの意味は何だっただろうな」と思い出してみてください!